更新 : 2017/08/09
公開 : 2006/09/17
車両 > 車両紹介 > 9000・9050型
セピア画像の上にカーソル(マウスポインタ)を置くとカラー画像で見ることができます。
▲ リニューアルされた9000型量産車の車内
 1987(昭和62)年 8月25日から、地下鉄有楽町線との相互直通運転が開始されました。この直通運転に備えて、1981(昭和56)年に試作車10両固定1編成が導入され、同年12月28日から営業運転が開始されています。習熟運転ならび量産車に対する設計性能などの確認が行われ、1987(昭和62)年に量産車10両固定6編成が製造されました。その後も運用増加にともない1991(平成3)年に10両固定1編成を増備、1994(平成3)年には9050型10両固定2編成が増備されています。
 2008(平成20)年6月14日から地下鉄副都心線との相互直通運転が開始され、9000型の量産車と9050型の副都心線直通対応・リニューアル工事が行われました。
 9000型は東武初のオールステンレス車で、軽量化・無塗装化・長寿命化が図られています。前頭部は運転台側の窓を広くして、車掌台側に非常用扉を設けた左右非対象の斬新なスタイルとなりました。窓下はロイヤルマルーンの帯で締めて、側窓には一段下降式が採用するなど、このあとに登場した車両にも大きな影響を及ぼしました。
9000型
試作車の9101号編成
撮影地 : 東武東上線
撮影者 : 東武電車フォーラム
9000型・試作車(9101編成/10両固定)
 1981(昭和56)年に習熟運転ならび量産車に対する設計性能などの確認が行う目的で、10両固定1編成が先行試作されました。東武では珍しく試作要素の強い編成で、東急車輌・富士重工・アルナ工機の3社メーカー合作編成となっています。
車体関係については、オールステンレス鋼製となり、幕板部と腰板部はコルゲーション仕上げ、吹寄部と妻部はダルフィニッシュ(梨地)仕上げとなりました。幕板部の種別行先表示装置は、クハ9101号車を除いて上り方の車端部に設置されています。また、車体中央の腰板部に車種・車両番号・社名を標記したプレートが設置されていましたが、1986(昭和61)年に撤去されて吹寄部に車両番号のみの標記となりました。
 屋根には、8000型と同一形の冷房装置と通風装置が1両当り4台搭載されているほか、M車には主電動機用の通風装置が1両当り4台搭載されています。パンタグラフは1ユニットに2基搭載されていましたが、後に上り方のパンタグラフが撤去されて1ユニットに1基となりました。
 客室は、白色を基調としたキャンバス模様の化粧板となり、腰掛のそで仕切パイプの形状が変更されました。妻引戸は片開き式となり、モハ9201・9601・9901号車の上り方だけに設置されています。
天井見付けは、2列の冷房グリルを連続的に設けて、室内蛍光灯をつり手ブラケットの間に収めています。
 電気装置関係では、制御装置に自動界磁制御式(AFE)主回路チョッパ装置、ブレーキ装置に全電気指令式ブレーキ(HRD- 2)が初めて採用されています。コンプレッサーは8000型後期車と同じHB2000型が搭載されているほか、補助電源装置はBLMG(210kVA)をモハ9300・9900に搭載されました。台車はS型ミンデン式のFS-511/011で、RCC軸受が新造車としては初めて採用されています。
 1987(昭和62)年9月、9101編成を量産車に準じた仕様にする工事が行われました。アルナ工機で主制御器のチョッパ周波数の高周波化、1ユニットに2基搭載されていたパンタグラフを上り方の1基だけ撤去したほか、地下鉄有楽町線対応工事なども行われました。
量産車の9107号編成
撮影地 : 東武東上線
撮影者 : 東武電車フォーラム
9000型・量産車(9102〜9107編成/10両固定)
 1987(昭和62)年8月の地下鉄有楽町線との相互直通運転開始に備えて、同年6月から8月にかけて10両固定6編成が製造されました。9101編成の実績を参考にして、車体関係や電気装置を中心に改良が行われています。
 車体関係については、前照灯が 10000型と同一形となり、尾灯と車側灯がLEDになりました。前頭部と吹寄部の車両番号は登場時から標記されていたほか、幕板部の種別行先表示装置と車側灯が 10000型と同じ位置に変更されています。側窓の幅は試作車では 850mmに統一されていましたが、量産車では側引戸間が 905mm・車端部が 800mmに変更となり、クハ9100・9000形の妻寄りの側窓は、乗務員室の奥行の関係で妻面に極端に寄って設置されています。
 屋根は、イボ付きビニール張りから塗り屋根となり、屋根肩部には車体全長にかけてランボードが連続して設置されています。また、冷房装置と吸出式通風器が一体化されたほか、パンタグラフが1ユニットに1基となりました。
客室は居住性を考慮して、座席1人分の幅を 425mmから 450mmに拡大しました。このため、妻寄りの座席を4人掛けから3人掛けにすることで、拡張された分を吸収したかたちとなっています。また、腰掛のそで仕切パイプが1本追加されて、腰掛下のけ込み板の形状が変更されたほか、腰掛のモケットが金茶色から緑色に、床が緑色から赤茶色に変更されました。側扉と妻引戸は、客室側がセミステンレスから化粧板仕上げとなり、妻引戸は両面とも化粧板仕上げに変更されています。妻引戸は各車両間に設置され、妻面の窓はすべて固定式となりました。このほか、乗務員室と客室との仕切り壁にあった小窓が2か所から1か所となり、中扉締切の知らせ灯が 10000型と同一形に変更されています。
 天井見付けは、スイープファンを追加して冷風グリルの形状が変更されたほか、中央部を少し下げて両側に冷房のリターン口が連続して設けられています。
 電気装置関係では、主制御装置を逆導通型サイリスタからGTOサイリスタにすると共に、素子の冷却方法が強制冷却方式からフロン冷却方式に変更されました。また、コンプレッサーをHB2000型から低騒音のHS-20C型としたほか、ブレーキ方式の変更により台車がFS-511B/011Sに変更されています。
外観が異なる9108号編成
撮影地 : 東武東上線
撮影者 : 東武電車フォーラム
9000型・量産車(9108編成/10両固定)
 1991(平成3)年12月9日のダイヤ改正による運用本数増加に備えて、同年9月に10両固定1編成が増備されました。車体が当時増備されていた 10030型と同じ仕様となり、電気装置も一部変更されています。
 車体関係については、コルゲーション仕上げからビートラインが入ったダルフィニッシュ仕上げとなり、側扉にもロイヤルマルーンの帯が付きました。また、前面のワイパーが黒色になり、運転台側の窓下に樋が設置されたほか、クハ9108号の妻寄りの屋根にラジオ受信アンテナが追加されています。
 客室では、側扉のガラス押さえアルミ枠が、10030型と同じ形状となっています。
 電気装置関係では、コンプレッサーをモハ9308・9608・9908号に分散して配置させたほか、補助電源装置がSIV(静止型インバータ)に変更されました。台車は従来のS型ミンデン式ですが、T車の台車のみ小改良された FS-011Tとなっています。
9050型
VVVFインバータ車の9050型
撮影地 : 東武東上線
撮影者 : 東武電車フォーラム
9050型(9151・9152編成/10両固定)
 1994(平成6)年12月に実施された地下鉄有楽町線の新線池袋駅開業および東上線輸送力増強に伴うダイヤ改正の運用増加に備えて、同年8月から10月にかけて10両固定2編成が増備されました。伊勢崎線の 20050型にあわせて車体関係や制御装置が変更されたため、形式を9050型として区別されています。
 車体関係については、9108編成とほぼ同じですが、種別行先表示装置が幕式からLED式となり、前面上部の種別行先表示装置と運転番号表示装置の周りが紺色から黒色に変更されています。また、側面の種別行先表示装置と車側灯の取り付け方法がフラットになったほか、幕板部には車外スピーカー、M車には主電動機冷却風導口が追加されました。
 屋根は、冷房装置が変更されて、吸出式通風器が廃止されています。
 客室はバリアフリーが図られて、側扉上部に液晶式の旅客案内装置が設置(のちに撤去)されたほか、車内放送が自動化となり、モハ9250・9950形に車椅子スペースが設けられました。また、化粧板がキャンバス模様から石目状模様に変更されて、腰掛のモケットが緑色から茶色に、床が赤茶色からベージュと茶色の2色に変更されています。荷棚はアルミ網からパイプとなり、つり手は丸形から三角形に変更されました。側扉高さは 1,800mmから 1,830mmに変更されて、妻引戸の窓は縦長になりました。
天井見付けも9108編成とほぼ同じですが、中央の冷風グリルが連続的に設置されています。
 電気装置関係では、制御装置をVVVFインバータ化、台車はS型ミンデン式のFS-511/011からボルスタレス式のSS141/041に変更されています。
製造後の変更点
リニューアルされた9000型量産車
撮影日 : 2008(平成20)年5月19日
撮影地 : 東武東上線
撮影者 : 姫乃太郎 様
9000型・9050型(リニューアル車)
 2007(平成19)年から9000型量産車と9050型の地下鉄副都心線対応工事・リニューアル工事が森林公園検修区構内で行われました。ワンハンドルマスコン化や乗り入れ機器の搭載のほかに、車体や客室内の仕様も 50070型に準じて改造されました。
 車両の前面については、スカートの取り付け、前照灯をHID化、表示器のフルカラーLED化、ワイパーの交換が行われ、側面については、車外スピーカーが取り付け、号車を示すステッカー貼付、乗務員室の側扉上部に雨樋の設置が行われました。パンタグラフはシングルアーム式に交換されました。
 客室については、壁が白色を基調に床材はグレーのゴム系に変更され、側引戸部の床と握り棒を黄色にして視認性の向上に配慮されています。腰掛も 50070型と同じデザインのバケットタイプとなり、腰掛の端にはそで仕切板が新設されました。側引戸は複層ガラスのものに交換され、側引戸上部にはLEDの旅客案内装置が千鳥配置に設置されています。妻面の貫通引戸はクローザー付きで大きな窓のタイプに交換されたほか、モハ9200形とモハ9900形には車椅子スペースが新設されました。
9000・9050型:編成表 [2017(平成29)年4月1日現在]
9000型  10両
← 池袋
クハ9100 モハ9200 モハ9300 サハ9400 モハ9500 モハ9600 サハ9700 モハ9800 モハ9900 クハ9000
[9101F] 9101 9201 9301 9401 9501 9601 9701 9801 9901 9001
9000型
[有楽町・副都心線対応車]
70両
← 新木場 ・ 元町・中華街
クハ9100 モハ9200 モハ9300 サハ9400 モハ9500 モハ9600 サハ9700 モハ9800 モハ9900 クハ9000
[9102F] 9102 9202 9302 9402 9502 9602 9702 9802 9902 9002
[9103F] 9103 9203 9303 9403 9503 9603 9703 9803 9903 9003
[9104F] 9104 9204 9304 9404 9504 9604 9704 9804 9904 9004
[9105F] 9105 9205 9305 9405 9505 9605 9705 9805 9905 9005
[9106F] 9106 9206 9306 9406 9506 9606 9706 9806 9906 9006
[9107F] 9107 9207 9307 9407 9507 9607 9707 9807 9907 9007
クハ9100 モハ9200 モハ9300 サハ9400 モハ9500 モハ9600 サハ9700 モハ9800 モハ9900 クハ9000
[9108F] 9108 9208 9308 9408 9508 9608 9708 9808 9908 9008
9050型
[有楽町・副都心線対応車]
20両
← 新木場 ・ 元町・中華街
クハ9150 モハ9250 モハ9350 サハ9450 モハ9550 モハ9650 サハ9750 モハ9850 モハ9950 クハ9050
[9151F] 9151 9251 9351 9451 9551 9651 9751 9851 9951 9051
[9152F] 9152 9252 9352 9452 9552 9652 9752 9852 9952 9052
主な運用区間
東武東上本線 : 池袋〜小川町間
東京メトロ有楽町線 : 和光市〜新木場間
東京メトロ副都心線 : 和光市〜渋谷間
東急東横線 : 渋谷〜横浜間
横浜高速鉄道みなとみらい線 : 横浜〜元町・中華街間
 9000型と9050型を含めて10両固定10編成が、東上線の森林公園検修区に在籍しています。地下鉄有楽町線・副都心線の直通運用については、朝夕に森林公園検修区に入出庫する運用がある以外は新木場・渋谷〜川越市間の運用が中心で、和光市で折り返しとなる運用もあります。また、森林公園検修区で待機している予備車が池袋〜小川町間の地上運用に投入されることもあり、稀に快速急行列車に充当されることもあります。
も ど る